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精霊の守り人/上橋菜穂子
90点
日本にもこんなに質の良いファンタジーがありました。
かなり面白い!私たちが住んでいる世界とは違う世界。文化も人も言語も生活様式も全然違う世界をきちんと丁寧に説明しているからリアリティがものすごい。世界のどこかで実際にそんな国があるかのよう。作者が文化人類学者だからなのかな、気付きにくいけどとても重要な、その国の文化を説明する事柄がきちんと説明されているのはできそうでできないこと。壮大なスケールのSFファンタジー第一弾!短槍使いの女用心棒バルサと皇太子チャグムの物語。
女主人公、短槍使い用心棒のバルサは30歳という設定がまず面白い。こういう女性主人公の話って普通は女子高生や女大学生が多い気がするのに、30歳。正直ファンタジーとしてはおばさんの域。登場しても脇役だったりする。なのにこの作品では主人公。うーん、めずらしい。
そして彼らの住む国々の不思議な世界。独特の言語と文化持ち、国に住む人々の他に昔から住んでいたといわれる原住民も存在する。そして権力を持った王が自分に都合の良い歴史を紡ぎだそうとする。実際には存在しない世界だけれど、想像上の国だという以外は私達がいる世界とはなんら変わりがない。歴史は誰が権力を持ち、誰が誰のために誰を利用するかによって全く違うものへと変化してしまうもの。その悲しい事実を前面に押し出した非常にリアリティのある物語だなと思います。
また、作者が文化人類学者だけあってか、生活や人々の一つ一つの描写が本当に細かい。例えばどんな家に住んでいて、どんなものを食べているのか、何を信じ(精霊、神などなど)、どんな国の儀式があるのかなどなどなどなど・・・。本当にちょっとしたことだけど、その国を説明するには必要な説明を非常に丁寧に説明されています。それがあたかも実在するような世界を創り出している。
用心棒として生きている主人公のバルサ。ひょんなところから皇太子の用心棒をすることになってしまうのだが、その皇太子は精霊の卵を宿していて彼の命を救うためにはその卵を守らねばならない。バルサの親友の薬草師タンダや呪術師トロガイたちの助けを借りバルサはチャグムを追う敵を薙ぎ倒す!短槍を自由自在に操るバルサはとてもかっこいい。惚れる・・・。
どのキャラクターも魅力的だしその国の文化も面白い。例えば、思い浮かぶのはスターウォーズやロードオブザリングなどのように壮大なファンタジーだが、そんな質の濃い物語が日本にもあったのかと驚いてしまいました。似たような日本の物語といえば十二国記を思い出しましたが、それよりはよりその国に住んでいる人々の宗教観や文化、生活様式を詳細に描いた作品だと思います。十二国記よりは庶民的な生活を詳細に描いているというか・・・。
目をつぶると彼らの生き方が目に浮かぶようです。
『精霊の守り人』
1996年作品
著者:上橋菜穂子
新潮文庫/2007
日本にもこんなに質の良いファンタジーがありました。
![]() | 精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2) (2007/03) 上橋 菜穂子 商品詳細を見る |
かなり面白い!私たちが住んでいる世界とは違う世界。文化も人も言語も生活様式も全然違う世界をきちんと丁寧に説明しているからリアリティがものすごい。世界のどこかで実際にそんな国があるかのよう。作者が文化人類学者だからなのかな、気付きにくいけどとても重要な、その国の文化を説明する事柄がきちんと説明されているのはできそうでできないこと。壮大なスケールのSFファンタジー第一弾!短槍使いの女用心棒バルサと皇太子チャグムの物語。
女主人公、短槍使い用心棒のバルサは30歳という設定がまず面白い。こういう女性主人公の話って普通は女子高生や女大学生が多い気がするのに、30歳。正直ファンタジーとしてはおばさんの域。登場しても脇役だったりする。なのにこの作品では主人公。うーん、めずらしい。
そして彼らの住む国々の不思議な世界。独特の言語と文化持ち、国に住む人々の他に昔から住んでいたといわれる原住民も存在する。そして権力を持った王が自分に都合の良い歴史を紡ぎだそうとする。実際には存在しない世界だけれど、想像上の国だという以外は私達がいる世界とはなんら変わりがない。歴史は誰が権力を持ち、誰が誰のために誰を利用するかによって全く違うものへと変化してしまうもの。その悲しい事実を前面に押し出した非常にリアリティのある物語だなと思います。
また、作者が文化人類学者だけあってか、生活や人々の一つ一つの描写が本当に細かい。例えばどんな家に住んでいて、どんなものを食べているのか、何を信じ(精霊、神などなど)、どんな国の儀式があるのかなどなどなどなど・・・。本当にちょっとしたことだけど、その国を説明するには必要な説明を非常に丁寧に説明されています。それがあたかも実在するような世界を創り出している。
用心棒として生きている主人公のバルサ。ひょんなところから皇太子の用心棒をすることになってしまうのだが、その皇太子は精霊の卵を宿していて彼の命を救うためにはその卵を守らねばならない。バルサの親友の薬草師タンダや呪術師トロガイたちの助けを借りバルサはチャグムを追う敵を薙ぎ倒す!短槍を自由自在に操るバルサはとてもかっこいい。惚れる・・・。
どのキャラクターも魅力的だしその国の文化も面白い。例えば、思い浮かぶのはスターウォーズやロードオブザリングなどのように壮大なファンタジーだが、そんな質の濃い物語が日本にもあったのかと驚いてしまいました。似たような日本の物語といえば十二国記を思い出しましたが、それよりはよりその国に住んでいる人々の宗教観や文化、生活様式を詳細に描いた作品だと思います。十二国記よりは庶民的な生活を詳細に描いているというか・・・。
目をつぶると彼らの生き方が目に浮かぶようです。
『精霊の守り人』
1996年作品
著者:上橋菜穂子
新潮文庫/2007
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