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『象の背中』
40点
男の理想の死に方をこれでもかっていうくらい突き詰めた究極理想映画。
男の理想の死に方をどこまでもどこまでも追求した、女性の立場から見るとちょーーーっとムカッとするような映画です。余命半年、残された時間をどう生きるのか・・・一人の男の最後を描いた作品。可愛い愛人、優しくて美人な妻、そこそこの経済力、良い子な娘・息子。そもそもこんな環境あるかー!(笑)男性が見ると感想はきっと違うでしょうが、この映画の死に方を簡単に実現できるとは思わない方がよいでしょう。
ストーリー
妻と2人の子供、幸せな家族4人。会社での地位も得て、順風満帆に暮らす48歳の中堅不動産会社部長・藤山幸弘(役所広司)は、今まさに人生の“円熟期”を迎えていた。だが、ある日突然、末期の肺がんと宣告される。
余命半年という医師の言葉に戸惑いながらも、藤山が選択したものは、延命治療ではなく、人生を全うすることだった。
(『象の背中』公式HPより)
女性の私から見ると、あり得ないことばかりでした。まず初期設定がおかしい。愛人の存在。確かこれって普通のサラリーマンに襲い掛かる病魔の話だよな?
そうですか、普通に愛人はつきものですか。ほーへー。
寝室は別々で夫は毎夜帰宅が遅い。普通に考えれば既に家庭内別居中なはず。ところがこの夫婦、仲がいいんだなぁ。
病気が判明してから妻が夫に、
「今日からは寝室で寝てくださいね。」
と一言。さらに、
「久しぶりね。」
と一緒に寝ることを喜ぶ妻。
つまり、毎夜夫は自分の仕事部屋にあるベッドで寝ていたわけです。そりゃ、夜中も仕事したいときだってあるだろうさ。妻のためを考えて寝室を別々にしたかもしれないさ。でも、久しぶりと思わせる期間だけあったってことです。
さらにさらに、この映画の中で肉体関係シーンがあるのは愛人とのみ。一緒に久しぶりにベッドを共にした妻とはそういう素振すらない。
愛人の存在を妻は知っていたのか?私自身の見た感じでは知っていたけれど容認していた。男というものはそういうもので、女は家庭で支えるものとしていた。容認というよりはむしろただそう感じていたに過ぎないかもしれないが、聞くのが怖かった。だから聞かずに、楽天的に考えようとしていた。のように見えます。それでも文句一つ言わず夫を支える姿は男の理想像ではないのでしょうか。
同じように愛人も男の理想を追い求めています。妻に対して文句一つもらさず、男が甘えても素直に受け入れる。長期間連絡がなくても文句言わない。会いたいと言えば来てくれる。
はあ〜、すごい女性ですね。私は100%無理です。
ホスピスに入院した夫が愛人に電話をするシーンがあります。会いたいという男に対して、行かないと愛人は拒否。しかし、案の定来るんですね。もちろん妻とご対面ですよ。普通ならここで修羅場でしょう。ちなみにここでの妻の心の動きが女性らしくて私は好きでした。
水を買ってくる、と夫と愛人を残し部屋をあとにし、海に一人たたずむ妻の姿。
とそのあとがおかしい。
妻が帰ろうとする愛人を玄関で呼び止める。
「ありがとうございました。」
妻が愛人に深深と頭を下げる。
言葉だけ見ると牽制に見えなくもないが、実際には心から礼を述べているように見える。こんなことできるか?愛人に向かって。もしかしたら夫が死期間近だからかもしれない。それでもね・・・。私は確実に言えない。この映画、妻と愛人の行動は全て、男の思うように行動している気がする。
妻が献身的に俺を支え、家庭を文句一つなく守ってくれること。
愛人が自分を全て受け入れ、文句一つなく一緒にいたいときにいてくれること。
そんな現実ありえません。現実を直視しましょう。99%あり得ません(笑)確かに、この男は妻と愛人をそんな風にしてしまうほどいい男だったのかもしれません。でも、女がそんな都合のいいものなんて大間違いなのだ。
だから私はどうしても裏設定を考えてしまう。実は妻と愛人には男に対する愛情が既に無く、男にはカネが目的であるため離れることをしない。実際に裕福そうである。家族も非常に中睦まじいが実はそれは男の視点であって、実際は家庭崩壊寸前なんじゃないか。なんて安易なまるで昼の安っぽいメロドラマみたいなことを考えてしまいますが、まだこの裏設定がある方が納得できてしまいます。つまり、現実的な映画ではないということです。本当に最初から最後まで何から何まで、男の理想で渦巻いています。もしかしたら男性が見ると全然感想が違うかもしれません。
ちなみに原作は映画以上に理想を追い求めているらしいので、女性が見ると腹が立つかもしれないと、本を読んだ知人が申しておりました。私も機会があれば読んでみたいです。燃やすかもしれませんが(笑)
・・・とまあここまでかなり悪評こいてきましたが、役者陣は素晴らしいと思います。特に、役所広司、今井美樹、岸辺一徳、笹野高史の演技が個人的には好きでした。泣ける映画というのも確かだと思います。私も泣きましたし、周りもそのようでした。客層はやはり、中年男性が多かったです。
『象の背中』公式HP
http://www.zo-nosenaka.jp/

『象の背中』
監督:井坂 聡
原作:秋元 康
出演:
役所 広司
今井 美樹 など
配給:松竹
日本/2007
男の理想の死に方をこれでもかっていうくらい突き詰めた究極理想映画。
![]() | 象の背中 (扶桑社文庫 あ 11-1) (2007/09) 秋元 康 商品詳細を見る |
男の理想の死に方をどこまでもどこまでも追求した、女性の立場から見るとちょーーーっとムカッとするような映画です。余命半年、残された時間をどう生きるのか・・・一人の男の最後を描いた作品。可愛い愛人、優しくて美人な妻、そこそこの経済力、良い子な娘・息子。そもそもこんな環境あるかー!(笑)男性が見ると感想はきっと違うでしょうが、この映画の死に方を簡単に実現できるとは思わない方がよいでしょう。
ストーリー
妻と2人の子供、幸せな家族4人。会社での地位も得て、順風満帆に暮らす48歳の中堅不動産会社部長・藤山幸弘(役所広司)は、今まさに人生の“円熟期”を迎えていた。だが、ある日突然、末期の肺がんと宣告される。
余命半年という医師の言葉に戸惑いながらも、藤山が選択したものは、延命治療ではなく、人生を全うすることだった。
(『象の背中』公式HPより)
女性の私から見ると、あり得ないことばかりでした。まず初期設定がおかしい。愛人の存在。確かこれって普通のサラリーマンに襲い掛かる病魔の話だよな?
そうですか、普通に愛人はつきものですか。ほーへー。
寝室は別々で夫は毎夜帰宅が遅い。普通に考えれば既に家庭内別居中なはず。ところがこの夫婦、仲がいいんだなぁ。
病気が判明してから妻が夫に、
「今日からは寝室で寝てくださいね。」
と一言。さらに、
「久しぶりね。」
と一緒に寝ることを喜ぶ妻。
つまり、毎夜夫は自分の仕事部屋にあるベッドで寝ていたわけです。そりゃ、夜中も仕事したいときだってあるだろうさ。妻のためを考えて寝室を別々にしたかもしれないさ。でも、久しぶりと思わせる期間だけあったってことです。
さらにさらに、この映画の中で肉体関係シーンがあるのは愛人とのみ。一緒に久しぶりにベッドを共にした妻とはそういう素振すらない。
愛人の存在を妻は知っていたのか?私自身の見た感じでは知っていたけれど容認していた。男というものはそういうもので、女は家庭で支えるものとしていた。容認というよりはむしろただそう感じていたに過ぎないかもしれないが、聞くのが怖かった。だから聞かずに、楽天的に考えようとしていた。のように見えます。それでも文句一つ言わず夫を支える姿は男の理想像ではないのでしょうか。
同じように愛人も男の理想を追い求めています。妻に対して文句一つもらさず、男が甘えても素直に受け入れる。長期間連絡がなくても文句言わない。会いたいと言えば来てくれる。
はあ〜、すごい女性ですね。私は100%無理です。
ホスピスに入院した夫が愛人に電話をするシーンがあります。会いたいという男に対して、行かないと愛人は拒否。しかし、案の定来るんですね。もちろん妻とご対面ですよ。普通ならここで修羅場でしょう。ちなみにここでの妻の心の動きが女性らしくて私は好きでした。
水を買ってくる、と夫と愛人を残し部屋をあとにし、海に一人たたずむ妻の姿。
とそのあとがおかしい。
妻が帰ろうとする愛人を玄関で呼び止める。
「ありがとうございました。」
妻が愛人に深深と頭を下げる。
言葉だけ見ると牽制に見えなくもないが、実際には心から礼を述べているように見える。こんなことできるか?愛人に向かって。もしかしたら夫が死期間近だからかもしれない。それでもね・・・。私は確実に言えない。この映画、妻と愛人の行動は全て、男の思うように行動している気がする。
妻が献身的に俺を支え、家庭を文句一つなく守ってくれること。
愛人が自分を全て受け入れ、文句一つなく一緒にいたいときにいてくれること。
そんな現実ありえません。現実を直視しましょう。99%あり得ません(笑)確かに、この男は妻と愛人をそんな風にしてしまうほどいい男だったのかもしれません。でも、女がそんな都合のいいものなんて大間違いなのだ。
だから私はどうしても裏設定を考えてしまう。実は妻と愛人には男に対する愛情が既に無く、男にはカネが目的であるため離れることをしない。実際に裕福そうである。家族も非常に中睦まじいが実はそれは男の視点であって、実際は家庭崩壊寸前なんじゃないか。なんて安易なまるで昼の安っぽいメロドラマみたいなことを考えてしまいますが、まだこの裏設定がある方が納得できてしまいます。つまり、現実的な映画ではないということです。本当に最初から最後まで何から何まで、男の理想で渦巻いています。もしかしたら男性が見ると全然感想が違うかもしれません。
ちなみに原作は映画以上に理想を追い求めているらしいので、女性が見ると腹が立つかもしれないと、本を読んだ知人が申しておりました。私も機会があれば読んでみたいです。燃やすかもしれませんが(笑)
・・・とまあここまでかなり悪評こいてきましたが、役者陣は素晴らしいと思います。特に、役所広司、今井美樹、岸辺一徳、笹野高史の演技が個人的には好きでした。泣ける映画というのも確かだと思います。私も泣きましたし、周りもそのようでした。客層はやはり、中年男性が多かったです。
『象の背中』公式HP
http://www.zo-nosenaka.jp/

『象の背中』
監督:井坂 聡
原作:秋元 康
出演:
役所 広司
今井 美樹 など
配給:松竹
日本/2007
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